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不正受給問題が指摘される生活保護制度を見直しへ

◆生活保護の受給者数が過去最多
厚生労働省によると、2012年2月時点の生活保護受給者数が約209万人に上り、現行制度下において最大となり、また、2012年度予算案では3兆7,000億円が計上され、国の税収の約1割を占めるまでに費用が増大しています。
そのため、制度運用や審査基準が抱える問題点を指摘されるに至り、以下の対策の他、見直しに向け検討が進められています。

◆受給者の資産を金融機関の本店で一括照会へ
生活保護受給申請者の資産調査について、これまで各福祉事務所が本人申告をもとに各地域の金融機関の支店に行っていましたが、効率が悪く正確でない等の問題点が指摘されていました。
厚生労働省発表によると、今年12月より全国銀行協会の協力を受けて、銀行など金融機関の本店に預貯金残額を一括照会する仕組みへと改めるそうです。

◆ソフトの改良により「医療扶助」の不正受給を監視
生活保護受給者の約8割に当たる169万人が受給する「医療扶助」は、窓口負担なしに医療機関で診療・投薬を受けられるため、医療過誤等の温床になっているとの指摘がありました。
厚生労働省発表によると、不正受給の事例を識別するのに手間がかかっていたソフトを改良し、電子化されたレセプト(診療報酬明細書)をもとに瞬時に見分けられるようにし、今秋から全自治体に導入するそうです。

◆その他見直し案に挙げられた項目
政府は、今秋策定する「生活支援戦略」で生活保護制度見直しの方針を打ち出す予定ですが、6月4日に行われた国家戦略会議でその原案が示されました。
厚生労働省が作成した原案には、当面の対応として、(1)生活保護給付の適正化、(2)就労・自立支援の強化、今後検討を進めるものとして、(3)生活保護基準の検証・見直し、(4)自治体等の調査・指導権限等の強化、(5)「脱却インセンティブ」の強化(就労収入積立制度等)、(6)自治体とハローワークが一体となった就労支援の抜本強化等が挙げられています。

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