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「労働時間法制の見直し」をめぐる最近の動向

◆「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入?
安倍政権が成長戦略の策定や改革実現のために設置した日本経済再生本部の下に設けられた「産業競争力会議」では、「ホワイトカラー・エグゼンプション」(以下、「WE」という)の導入が検討されています。
WEについては、2006年に規制緩和策の中に盛り込まれ、2007年に法案提出の動きがありましたが、与党内でも導入を懸念する声があり見送られたという経緯があります。
現在、6月に改訂する予定の安倍政権の成長戦略に盛り込むことが検討されていますが、長時間労働を助長させるものとして反対する声も多くあり、先行きは不透明です。

◆中小企業の残業代割増率が引き上げられる?
2010年4月に施行された改正労働基準法により、従業員数300名以上の企業の1カ月の時間外労働時間が60時間を超えた場合の割増賃金の割増率は50%以上とされていますが、中小企業については適用を猶予し、3年をめどに改めて適否を議論することとされていました。
このほど、政府は中小企業についても割増率を引き上げる検討に入り、2015年の通常国会に労働基準法の改正案を提出し、2016年4月からの施行を目指すとの報道がなされました。
割増率が引き上げられれば、企業の人件費負担が増す可能性がありますが、運送業のように残業時間を減らしにくい業種については、助成金等の措置も検討するとされています。

◆「働き過ぎ対策」の検討
上記の産業競争力会議では、WEのほかに「解雇規制の見直し」や「配偶者控除の廃止」等、企業や従業員の生活に大きな影響を及ぼす事項が検討されていますが、またこの他に、「法令の主旨を尊重しない企業の取締りの強化」も検討されています。
具体的には、ハローワークの求人票に従業員の定着率や残業時間数の記載を求めたり、労働基準監督署の人員を増強したりすること等が挙げられています。
企業としては、今後もこれらの動きに注意を払っておく必要があるでしょう。

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