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2.162015
経理実務が変わる!税務関係書類のスキャナ保存適用の緩和
◆スキャナ保存制度の概要
現在、税務署長の承認を受けた者は、国税関係書類について、一定の要件に従い、スキャナにより記録された電磁的記録を保存することをもって、当該国税関係書類の保存に代えることができることとされています。
平成17年度に創設されたこの制度は、見積書や注文書といった一般書類をはじめ、納品書や約束手形、資金移動等直結書類、契約書・領収書といった重要書類(3万円未満)をスキャナ等で記録し電磁的に保存することが可能というものです。
しかし、平成25年までの承認件数は133件と、まだ一部でしか導入されていません。
◆改正で適用要件が大幅に緩和
平成27年度の税制改正により、次の見直しが行われました。
・適正な事務処理を実施することを条件に、重要書類(契約書・領収書)の金額基準の廃止(現行3万円未満)
・重要書類について、業務処理後の関係帳簿の電子保存の承認要件の廃止
・入力者等に関する情報の保存や電子署名の要件の廃止
・重要書類以外の書類について、書類の大きさに関する情報の保存の不要、グレースケール(白黒)での保存可能
また、今回の改正で、国税関係書類だけでなく、地方税関係書類の電子的保存も可能になりました。
◆実務における留意点
改正後の制度は、本年9月30日以後に行う承認申請について適用になりますが、その3カ月前に税務署(地方税については地方団体の長)に申請書を提出する必要があります。
本改正は、電子保存によるコスト削減や事務の簡略化を図る観点から見直しが行われました。適用要件が緩和されることで、今後は、電子保存が標準になるのではとも言われています。
今後、各コピー機器会社等から、新機能を掲載した商品が続々と出てくると思われますので、自社に合った機器をじっくり選定し、効率的で正しい実務ができることを期待しましょう。