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3.302015
「介護休業制度」が社員の介護離職を防ぐ!
◆介護を理由に年間10万人が離職
総務省の「就業構造基本調査」によると、家族の介護を理由に会社を辞めたり転職したりする人は年間10万人に達しています。
今後、高齢化の進展によりますます要介護者数が増加する中、社内で中核的な役割を担う、いわゆる「働き盛り」の社員が次々と退職する事態も想定されます。
介護をしながらでも長く働き続けることができる職場環境を整備し、離職を防ぐことが、企業にとってはこれからの重要な課題となります。
◆介護休業制度がある場合は離転職割合が低くなる
企業がとるべき、実効性ある対策は何なのかを考えるうえで、独立行政法人労働政策研究・研修機構「仕事と介護の両立に関する調査結果」が参考になります。
同調査では、
(1)介護開始時の勤務先に介護休業制度がある場合は、離転職割合が低くなること、
(2)法定を超える介護休業としては、分割取得ができる場合に離転職割合が低くなること、
(3)介護休業制度に加えて、残業や休日労働を免除する所定外労働免除の制度がある場合は離転職割合が低くなること等がわかりました。
特に、介護休業制度を利用した従業員の離職率は4.8%、転職率は11.9%と、利用しなかった従業員より10ポイント以上低いという数字が出ており、介護離職を防ぐうえでは「会社に介護休業制度があること」の重要性が高いと言えます。
◆規定と周知がマスト!
自宅等で介護をしていることが職場で顕在化していなかったり、取りづらさに困難を感じて取得しない人が多かったりするなど、「介護休業制度を作っても意味がないのでは?」などと感じる向きもまだまだ多く、中小企業の中には、就業規則に介護休業の制度が明文化されていないところも少なくありません。「休業できることを知らない」という社員も多くいます。
人材不足が問題となっている中、貴重な人材の確保という観点からも、介護休業制度の規定・周知を行うことが、まず行うべき介護離職対策の1つと言えそうです。