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「仕事と介護の両立問題」に対応するための法改正&新設助成金

◆年間10万人超の介護離転職者が発生
内閣府の「2015年版高齢社会白書」によると、2011年10月から2012年9月までにおける介護や看護を理由とする離転職者数は10万1,001人だったそうです。
離転職者の内訳は、男女ともに50代および60代が約7割を占め、企業にとっては要職者を失うリスクにさらされていると言えます。
また、この問題は団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降に一層深刻になると見られていることから、法改正と助成金の新設・拡充の両面で対策に取り組む動きがあります。
企業としては、人材確保のためにもこうした動きを押さえておく必要があります。

◆「介護離職ゼロ」に向けた改正法案の審議スタート
国会では、育児や介護と仕事の両立を支援する雇用保険法などの改正案が3月8日に審議入りしました。
法案では、93日までの連続取得という制度設計で、利用率が低迷していた介護休業制度を最大3回までの分割取得を可能とするほか、対象家族を非同居・非扶養の祖父母や兄弟姉妹、孫にも拡大するとしています。
また、介護休業者の所得保障となる介護休業給付金の支給率について、休業前賃金の40%から67%に引き上げるとしています。
さらに、育児と仕事の両立支援や高年齢者の就労支援の施策も盛り込まれており、政府・与党は3月中に法案を成立させ、4月以降順次施行したい考えです。

◆助成金の新設
厚生労働省は、2016年度より「介護支援取組助成金」(仮称)を新設することを公表しました。
(1)従業員の仕事と介護の両立に関する社内アンケート実施、(2)介護に直面する前の従業員への社内研修の実施、リーフレットの配布、(3)介護に直面した従業員向け相談窓口の設置および周知を行った企業に対し、60万円を支給するものです。

◆助成金の拡充
「中小企業両立支援助成金 育休復帰支援プランコース」は、正社員、期間雇用者それぞれ1人について、社会保険労務士など専門家のアドバイスのもと「育休復帰支援プラン」を策定し、育休取得したときに30万円、職場復帰したときに30万円を支給するものですが、拡充後は、早ければ10月から介護休業についても対象となる予定です。

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