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「介護職員の精神疾患」急増で求められる対策の見直し

◆労災申請は5年で2倍、認定は3倍に
厚生労働省の調べで、仕事上のストレスが原因でうつ病などの精神疾患を発症したとして、労災を申請した介護職員が2014年度までの5年で2倍以上に増えたことがわかりました。
労災認定された人も約3倍に増加し、業種別の順位でもトップなどに上昇しています。

◆申請件数は業種別ではトップ
上記集計によると、2014年度の精神障害の労災請求件数は1,456件、支給決定件数は497件で、ともに過去最多となりました。
このうち、業種別の中分類で、介護を含む「社会保険・社会福祉・介護事業」の精神疾患の労災申請は、2009年度の66人が2014年度には140人となり、業種別のトップに増加しました。
ここ5年の増加率は約2.1倍で、全業種の約1.3倍を大きく上回りました。

◆認定件数は「道路貨物運送業」に次ぐ2位
また、労災認定も2009年度の10人が2014年度には32人に増え、全業種の認定数(2014年度は497人)の増加率(2.1倍)を大きく上回りました。
業種別の順位でも、2014年度は「道路貨物運送業」(41人)に次ぐ2位でした(2009年度は5位)。

◆精神疾患の労災認定の基準は
中分類の「社会保険・社会福祉・介護事業」には福祉施設などで働く人も含まれますが、厚生労働省によると、多くは介護の労働者だそうです。
精神疾患の労災は、労災認定基準に基づいて仕事の負荷との因果関係を判断します。長時間残業や仕事の内容・量の大きな変化、長期の連続勤務、パワハラやセクハラなどがあった場合などにストレスの程度を評価し、強いストレスがあれば認定されます。

◆労災対策の見直しが急務
労災申請と認定の時期は年度がずれるケースもあり、2015年度の認定はさらに増える可能性があります。
厚生労働省は個別の事例は公表していませんが、今回の結果は、慢性的な人手不足が続く介護業界の長時間残業や不規則な交代制勤務など、深刻な事情を反映しているものと考えられ、これまでは腰痛対策などの肉体的な労災対策を中心にしてきた介護分野での労災対策は、早急な見直しが迫られることになりそうです。

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