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調査結果にみる企業の「福利厚生」に関する動向

◆今回で60回目の調査
経団連は、「2015年度 福利厚生費調査結果の概要」を11月14日に公表しました。
今回で60回目となるこの調査は、1955年度から毎年実施されており、「わが国において、半世紀以上にわたる企業の福利厚生費の動向を把握できる、唯一の調査である」とのことです。
算出方法は、法定福利費、法定外福利費の各項目について、企業の年間負担総額を年間のべ従業員数で除した1人1カ月当たりの平均値(加重平均)によるものです。
調査結果の全体は、例年12月から1月に公表されています。

◆法定福利費の動向
6年連続で増加となりました。現金給与総額の伸び(570,739円、前年度比1.2%増)を上回って増加する傾向は変わっていません(1980年度以降、伸びが下回るのは、7回のみ)。
内訳では、健康保険・介護保険:31,177円(前年度比1.5%増)、厚生年金保険:46,441円(同2.3%増)、雇用保険・労災保険: 6,728円(同 2.0%増)、児童手当拠出金:794円(同0.6%増)となっています。

◆法定外福利費の動向
法定外福利費は9年ぶりに増加に転じましたが、全体としては抑制される傾向にあります。
法定外福利費の伸びが現金給与総額、法定福利費の伸びを上回るのは2002年度以来ですが、2002年度は調査方法が大幅に変更され、数値の変動幅が大きいため、それ以前では1993年度まで遡ることになります。
内訳をみると、医療・健康費用の「ヘルスケアサポート」が大幅に増加(1,036円、前年度比10.6%増)し、初めて1,000円を超えました。要因として、2015年12月から義務化されたストレスチェックへの対応や健康経営の高まりが考えられるとしています。
また「育児関連」も387円(同11.2%増)となり、引き続き企業が子育て支援策を充実させていることが伺えます。
なお、カフェテリアプラン消化ポイント総額を円換算した平均は4,549円でした。「カフェテリアプラン」とは、福利厚生運営手法の1つで、従業員に対し、費用と連動したポイントを付与し、福利厚生メニューの中から選択させる制度です。
こうした調査からも、育児・介護、健康配慮といった点に従業員の関心が高く、そうしたことが社会的な動向であると考えられます。日頃の雇用管理でも気にかけていきたいポイントです。

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