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「就活セクハラ」防止義務化に向けた動き

◆「就活セクハラ」とは

「就活セクハラ」とは、従業員間ではなく、就職活動中の学生に対して採用担当者等により行われるセクシャル・ハラスメントを指し、問題視されています。これまで、大企業を中心として、性被害などの深刻な事案も発生しており、自主的な指針を作る企業もみられます。

 

◆およそ3割の就活生が体験

厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)によると、「インターンシップ中に就活等セクハラを一度以上受けた」と回答した人の割合は30.1%(「インターンシップ以外の就職活動」は31.9%)で、セクハラの内容としては「性的な冗談やからかい」「食事やデートへの執拗な誘い」「不必要な身体への接触」といったものが挙げられました。

 

◆防止へ法制化の動き

男女雇用機会均等法では、企業に対し、窓口の設置や加害者への対処など、従業員へのセクハラ防止が義務付けられていますが、現状その対象に就活生や応募者は含まれておらず、指針において就活ハラスメント防止措置が望ましい取組みとして明記されるに留まっています。

こうした状況を受け、厚生労働省の審議会では、企業に対する就活セクハラ防止義務化が検討されており(面接・インターンシップの際のルール策定や相談窓口の設置などを求める案が示されています)、2025年通常国会への関連法案提出を目指すとされています。今後の政府の動向が注目されます。

 

就活セクハラは、現時点では企業に防止義務はないとはいえ、倫理的にあってはならないことです。また、万が一起こってしまった際は、企業のイメージ棄損などにつながります。企業の責務を果たすと同時に、人材の安定した確保を行っていくためにも、就活生や応募者へのセクハラ防止に努めていくことが重要です。

 

【厚生労働省「『職場のハラスメントに関する実態調査』の報告書を公表します」】

【厚生労働省「就活ハラスメント防止対策 企業事例集」】

 

 

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