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パート時給・新卒初任給に関する調査結果にみる最近の賃金動向

◆賃上げの動きは中小企業にも?
昨年と今年の春闘では、政権の働きかけにより賃上げを実施する大手企業が相次ぎ、「官製賃上げ」などの言葉が聞かれました。中小企業においても人手不足解消等のため、賃上げに踏み切るところがありました。
2017年4月からの消費税率10%への引上げが決定された今、中小企業における賃金の動向が今後の景気を大きく左右するとして、注目されています。
そこで、2013年度・2014年度における三大都市圏(首都圏・東海・関西)のパート募集時平均時給と、2009年~2014年の企業規模別の賃金の額に関する調査結果から、最近の中小企業の賃金の動向を見てみましょう。

◆パート募集時平均時給の推移
株式会社リクルートジョブズが毎月公表している調査結果によると、2014年度の平均時給は959.8円で、2013年度の948.8円よりも10円以上上がっています。
特に、年末年始の繁忙期には2014年10月度:961円、11月度:999円、12月度:966円と、3カ月連続で平均を上回る金額となっていました。
厚生労働省が毎月公表している一般職業紹介状況においても、パートの有効求人倍率が前年を上回る傾向が続いており、時給額の上昇からは、「より良い条件を提示して人材を確保したい」という企業の思惑が見てとれます。

◆中小企業の賃金額の推移
厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、毎年常用労働者10人以上の民営事業所を対象に有効回答を得た企業の賃金の額をまとめています。
企業規模別の男性の額を比較すると、中企業(常用労働者数100~999人)では2014年:31万2,100円で、2013年:30万9,400円を上回りますが、2009年~2014年の平均31万4,160円は下回っています。
また、小企業(常用労働者数10~99人)では2014年:28万5,900円で、2013年:28万円5,700円を若干上回り、2009年~2014年の平均28万4,300円を1,600円上回っています。
上記を見る限りでは、中小企業全体に賃上げの動きがあると言うのは難しそうです。
同調査の2015年分の結果は、7月に調査が行われた後、2016年2月頃に公表される見通しです。中行企業の正社員にも賃上げの動きが波及しているかは、その結果を見ることで確認できるでしょう。

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