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1年間に負担する社会保険料はどのように決まる?

◆社会保険料の額を決める「標準報酬月額」とは
健康保険や厚生年金保険の保険料は、従業員の個々の給与の額ではなく、区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」に基づいて算出されます。
この幅が「標準報酬月額等級」として、健康保険では47等級に、厚生年金保険では30等級に分かれています。これらの保険料は労使折半ですので、事業主の負担が過重とならないよう保険料に上限が設定されていますが、高額所得者でも上限等級以上の保険料負担はしませんので、「高額所得者優遇」にならないよう、政令で、最高等級の上に等級を追加することができることとされています。

◆標準報酬月額はどうやって決まる?
標準報酬月額が決まる方法として、(1)資格取得時決定、(2)定時決定、(3)随時改定の3つがあります。
新入社員等は(1)によって決定されますが、7月1日現在その会社に在籍している従業員については(2)により、4~6月に支払われる給与等や賞与の賃金総額の月平均賃金額を基準に標準報酬月額にあてはめて、その年の9月から翌年8月までの1年間の標準報酬月額が決まります。
一部の事業所では当月分の給与を翌月中に支払うこともあるので、そうした企業においては3~5月分までの賃金総額によって決まることとなります。

◆残業量の調整や昇給のタイミングに注意
定時決定によってその年の9月から翌年8月まで適用する標準報酬月額が決定されることから、算定期間中に多くの残業が発生し、平均賃金額が他の時期よりも高くなる会社や、算定期間中に昇給がある企業においては、負担する社会保険料の額に影響を生じる可能性があります。
特に、厚生年金保険料は平成16年の制度改正によって平成29年9月まで毎年0.354%ずつ引き上げられることとなっているため、昇給等によらなくても保険料の負担は年々増していきます。
不必要な残業を控えたり、業務の進め方を見直したり、昇給月を変更したりする等、対策を社会保険労務士に相談してみるのもよいでしょう。

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