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7.282021
コロナ禍で急増のおそれも…「アルコール依存症」への職場対応
◆コロナ禍で懸念される「アルコール依存症の増加」
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、働き方や生活時間の変化によってさまざまなストレスが生じていること、また在宅勤務によりお酒を長く多量に飲みやすい環境ができたことなどにより、現在、アルコール依存症患者の増加が懸念されています。
アルコールの問題は個人の問題と捉えられがちですが、仕事に関するストレスが原因となって大量の飲酒につながることが多いことが指摘されており、アルコール依存症とストレスや過重労働には深い関係があるといわれていますので、企業としても、「職場の心の健康問題」として対策を講じていく必要があります。
◆アルコール依存症が引き起こす職場のトラブル
WHO(世界保健機構)によれば、アルコール関連問題は、大きく、健康問題・家族問題・職業問題・経済問題・刑事問題に分類され、個人の健康問題(肝臓・膵臓・心臓・脳・欠陥・神経など全身のさまざまな病気を引き起こし、ときに死に至らしめることもあります)のみにとどまらず、多くの社会的影響を及ぼします。
職場では、業務効率の低下が見られることになるでしょう。また、注意力が低下することで、事故の危険性も高まります。遅刻・早退や無断欠勤が繰り返されることによる周囲への悪影響も看過できません。
◆アルコール依存症への職場対応
アルコール依存症の治療には、本人の「何とか治したい」という治療意欲が欠かせません。酒臭い状態で出勤してきた際、また無断欠勤をした際などには、就業規則にのっとり懲戒処分の対象とするなど、厳しい態度で接していくことが重要です。これにより「このままではいけない」との自覚を促し、いち早く治療につなげてあげることが、その人のことを考えた本当にあたたかい対応だといえます。
もちろん、労働者がストレスをため込み過剰な飲酒に走ることのないよう、ストレス対策を講じていくことも欠かせません。産業医などとも連携し、適切なアルコール依存症対策・ストレス対策を取ることが望まれます。