お知らせ
11.82024
11/1法改正情報!フリーランス委託のリスクと対策について
本日は、フリーランスとの取引における法令遵守のポイントと、企業が留意すべきリスクと対策についてお知らせいたします。フリーランスの活用が進む中、法令遵守とリスク管理は企業にとってますます重要です。
■ フリーランス取引ガイドラインの概要
政府は、フリーランスが安心して働ける環境を整えるため、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を策定しました。
企業がフリーランスと取引を行う際に遵守すべき事項が示されています。
1. 取引条件の明確化:業務内容、報酬、支払期日について契約書や書面で明確にすることが求められます。
2. 適切な募集情報の表示:虚偽や誤解を招く情報提供は禁じられ、正確で最新の内容を提供することが重要です。
3. ハラスメント防止体制の整備:ハラスメント防止策を講じ、フリーランスの相談窓口や体制を整える必要があります。
■ フリーランス業務委託時に考慮すべきリスクと対策
① 法令違反のリスクと対策
フリーランスが実質的に従業員と同様の働き方と判断された場合、労働関係法令が適用され、社会保険の加入義務や労働基準法の規制が発生する可能性があります。
〈対策〉
指揮命令や勤務時間の管理はできる限りフリーランス自身に任せるようにし、業務内容や報告方法を事前に取り決めておきます。契約書にて、独立した業務委託契約であることを明確に示すことも重要です。
② 優越的地位の濫用リスクと取引条件の明確化
フリーランスに対する報酬の遅延や一方的な契約条件の変更は、独占禁止法や下請法の優越的地位の濫用と見なされる可能性があり、法的リスクにつながります。
〈対策〉
業務内容、報酬、支払期日などの取引条件を契約書で明確にし、双方の合意を得たうえで書面化します。取引の公正性を確保し、適切な取引を実施することが大切です。
③ 品質や納期に関するリスクとスケジュール管理
フリーランスは他のクライアントとの兼務が多いため、スケジュールの優先順位や納期の調整が課題となる場合があります。
〈対策〉
事前に納期や品質基準を明確にし、納品スケジュールを契約に盛り込みます。また、進捗確認の手順をあらかじめ取り決め、フリーランスに無理のない業務調整を行うことが重要です。
④ 情報漏洩のリスクとセキュリティ対策
フリーランスが業務上で知り得た機密情報が漏洩するリスクがあります。
〈対策〉
秘密保持契約(NDA)を締結し、機密情報の取り扱いに関する具体的な指示を契約書に明記します。また、情報漏洩防止のため、業務で使用する端末やデータ管理の指示を徹底し、必要に応じてセキュリティソフトウェアの使用も推奨します。
■ 重要な法改正情報
令和5年に成立した「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が令和6年11月から施行されており、企業とフリーランス間の取引の公正性がさらに強化されています。報酬支払いの迅速化や不当な契約解除の禁止が新たに規定され、法令を守ることとリスクを管理することは企業にとってますます重要になっています。
■ おわりに
当事務所では、フリーランスとの取引における法令遵守やリスク管理に関する相談、契約書の作成や見直しを承っております。法令に沿った公正で安心な取引体制の構築にご不明な点がございましたら、ぜひご相談ください。
今後も皆様の業務に役立つ情報をお届けして参ります。
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